ガリレオ 容疑者Xの献身が大勝利!(映画シリーズ3作、一気見した結果)

タイトル通り、ガリレオの最新作「沈黙のパレード」を含む映画3作品をすべて見て、2008年に放映された「容疑者Xの献身」がずば抜けて好きだった。

 

昔の作品がアマプラで見れるようになっており、小中学生ごろ、ガリレオのよくわからないけど強キャラ感にあこがれていたのを思い出した。

そして14年前にも拘わらず、かっこいい福山雅治に圧倒された。昔の髪型は、やはり今とは感性が違って古臭い感じがするのだが、それが彼にはまるでない。洗練された湯川教授を楽しんだ。そして、今なおかっこいい。

 

だが最新作にはがっかりだった。

ガリレオ映画 3作品

 

作品ごとの点数

2008年 容疑者Xの献身 90/100

2013年 真夏の方程式 70/100

2022年 沈黙のパレード 5/100

 

という感想だった。

最新作は期待を胸に鑑賞したが、帰り道には後悔と絶望にさいなまれた

なんともいえない空虚な映画だった。

 

それぞれ感想を述べていく。

 

沈黙のパレードの感想 (ネタバレ注意!

この映画の良くない点は2つある。

1つ目は登場人物が多く、それぞれの感情描写が薄く、どのような関係の人間なのかの把握がめんどくさかったこと。

2つ目は犯行の手口が開始30分ほどで明らかになってしまったこと(湯川教授が現場に初めて行って、5分ほどで解き明かしてしまった)。

 

1つ目についてだが、今回は集団による殺害で、それぞれの想いや過去のいざこざが絡み合っており、それぞれの視点での物語があった。

それがまあ多い。その数、6組(人数だと10ほど)。

なかにはそんな理由で?と思うようなものもあった。人数が多くなると、その分解説が短くなってしまうため、「この人はなぜこんな行動をとるんだろう」と不思議に思ってしまった。

 

2つ目については、犯行の手口が簡単すぎた。

外から鍵のかけられる部屋の外から、戸の取手を外し、そこから液体窒素を流し込み窒息死。被害者は寝ていたが物音で目覚めたにもかかわらず、扉をたたかず、部屋を荒らすわけでもなく、なぜか布団の上にもどって息絶えた。不自然だ。

 

今回の映画では、犯行の複雑さというよりも人の思いの複雑さに焦点を当てていたように感じた。それにしても開始30分ほどで手口が判明するのは早すぎる。本当に物理学者を呼ぶ必要がない。

その後も物理学者が人間心理に迫り、裏に隠された秘密を明かしていく。もはや、湯川教授は答えを知っていたのでは?と思うほど、1人でスムーズに解決していた。

 

上記2点を踏まえると、今回の映画は、方針と構成が一致していないように感じる。

人間の過去のいざこざ、複雑さを表現するために、登場人物を増やしてしまった。

全くがっかりだった。

開始10分ほどは湯川教授と内海刑事とのやりとりを見れたので、5点加点した。

 

真夏の方程式の感想

これも少し登場人物が多く、関係性が把握しづらかった

不倫相手、夫婦と再婚相手とその娘たちの過去に犯行の動機があったという感じだった。全部で4人ほどの過去を回想した(沈黙のパレードよりかはマシ)。

 

しかし、犯行の手口は少し手が込んでいて、湯川教授と少年とのサブストーリー的なものもあって、どちらかといえば好きだった。子供嫌いの教授が、理科嫌いの少年のために、討論をほっぽり出して実験を行っていたのは美しかった。

犯行に少年を利用し、その少年の将来に時限爆弾を背負わせるという結末で、家族の在り方を問うようなもので、学ぶものがあった。

まあ、妥協点といったところ。

 

容疑者Xの献身の感想!

これは最高でしたね。良かった点は4つ。

1、主な登場人物は3人ほどで、過去の回想もほぼなく、わかりやすい進行。

2、堤真一さんの迫真の演技。俳優のキラキラ感はまるで感じさせず、ストーカー気質(?)の天才数学者の役を見事に演じた。

3、誰もが共感するようなクズ男に付きまとわれる元妻が殺人を犯してしまうという動機。助けてもらいつつも最後には自白してしまうという、ハッピーエンド(?)

4、湯川教授が認めた唯一の天才であり、大学で分かり合えた友人との対決。

 

あらすじ

アパートに住む弁当屋を営む母子と、その隣人であり弁当屋に通う不気味な印象の高校教師である石神。

ある日母子の家庭に元夫が押しかけて、乱暴する。それを聞いていた石神は、二人を助ける作戦を考える。しかしその代償に、今度は石神が付きまとうようになると思われたが、それも作戦のうちで石神は罪をかぶる。

 

最初は不気味だった石神の人間性が明らかになっていくうちに、その男気と純真な愛に惹かれてしまう。

好きな人の隣にストーカー(?)石神が越してきたのかと思えば、その逆だった。

数学者としてのキャリアを歩めず、人生に絶望してしまった石神があいさつに来た二人に命を救われたと感謝する。二人の明るさに惹かれ、弁当屋にも足しげく通うが、どうしてもうまく距離を詰めることができなかった。

そんな時に事件が起こり、恩返しのために罪をかぶるという男気。

古い友人である湯川との会話は10数年ぶりに会うという感じはまるでなく、二人とも砕けた様子で和やかだった。

天才とうたわれるだけあり、見事に警察の捜査を欺いたが、湯川の友人への思いから心理にたどり着く。しかし、それを告げられても、石神は自分の信念を曲げなかった。

二人への感謝が愛へと変わり、罪をかぶりながらもその背中・表情からは後悔のかけらもなく、晴れ晴れとしたような表情だった。(ここでの回想シーンは感動です。)

最期まで表情を崩すことがなかったが、罪をかぶった相手が自白してしまい、初めて号泣する。湯川も遠くでその声を聴き、涙する。

 

本当に素晴らしい演技だった。美しい様々な愛の形が表現されていた。同姓・異性・年齢に関係なく、愛は存在するのだ。歪んでしまった愛、まっすぐな愛、かなわなかった愛。人は感謝と愛によって生かされていると感じた。

 

まとめ

ガリレオ映画3作品、見ましたが、一番のおすすめは「容疑者Xの献身」です!

最新作は自分的には微妙でした。(笑)

 

引用文献

https://storytherapy.net/wp-content/uploads/2022/08/%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%83%AC%E3%82%AA%E6%98%A0%E7%94%BB%E4%B8%89%E9%83%A8%E4%BD%9C.png