公園の寝ころびボーイ

ある秋の晴れた日の昼過ぎ。

10月になっても和らがなかった残暑が急激に過ぎ去り、かすかな冬の顔を見せ始めていた。

僕は大きめの公園でのんびりするついでに、ガソリンを注いだ。

ガソリンは10Lで1683円もした。ガソリンの値上がりがとどまることを知らない。

 

公園について、いつもの場所に向かう途中、お母さんにColemanのアウトドアワゴンで引かれる子供を見た。これを「幸せカー」と名付けた。幼稚園の先生に引かれる「幸せを振りまくカー」の下位互換ではあったが、思わずにっこり。😊

そのほかにも、芝生に直に寝っ転がり、微動だにせず空を眺めている5歳ほどの男子に「寝ころびボーイ」とも名付けた。

 

定位置に到着して、100均で買ったシートを敷いて、寝っ転がった。

周りにはPKの練習をしている小学生たちと、子供を連れてバドミントンをしている親子がいた。小学生たちは、風でずれたボールから連想して、「藤井風!藤井風!」と叫び、「しぬのがええわ」をワンフレーズうたった。少しコアな曲を知っているなと驚きつつ、小学生にも知れ渡っている風さんを尊敬した。

 

僕は、藤谷治さんの「恋するたなだ君」を数十分読んで、疲れると正面の雲を眺めた。

気分はさながらシカマルだ。

電球💡のような形の雲と、その横にユーラシア大陸的な雲。

僕は電球雲に注目して、形が維持されていることに気づいた。同じ高さで同じ強さで風が吹いているのか、と納得したが、間違っていた。雲はほぐれていって、フヤフヤになっていった。「なーんだ」と思った。同時に、「上を向く」「前を向く」なんて励ましの言葉があるけど、「横を向いて」はないのかなと疑問に思った。

 

今日は10月8日、スポーツの日の2日前だ。